今日は、アルミとモンサントの関係について考察します。

陰謀論者は、このように主張します。
人口削減のために航空機からアルミの粉を大量にばら撒いている。
農地はアルミの粉に汚染され、作物は育たなくなる。
収穫を得るためには、農家はモンサントから、アルミ耐性遺伝子組み換え種子を買わざるを得ない。


 【参考リンク・・・上記の主張をしているブログ】
  「ケムトレイルの謎」が判明しつつある?:モンサントのアルミ耐性遺伝子作物の怪!?


このように、ケムトレイルで散布されているとされるアルミと、モンサントのアルミ耐性種子を関連付けて考えているのです。
はたして、このロジックは正しいのでしょうか?


ここで、アルミニウムについて、おさらい。
アルミニウムは、土壌中に最も多く含まれる金属で、地球上で3番目に多い元素です。
もともと土の中には量の多い少ないの差はあれ、アルミが存在しているのです。

一般的に、農産物は、酸性土壌では良く育ちません。
農家の方が、春、まず土づくりのために、石灰を撒いているのを見たことはあるでしょうか?
酸性に傾いた土壌PHを作物の生育に適したPHに改善しているのです。
酸性土壌を好むのは、ソバやお茶、ブルーベリーなどの、一部の作物だけだからです。

で、だから・・・・酸性土壌とアルミと何の関係があるの?と疑問に感じられたかもしれません。
アルミニウムと土の酸性度と作物の成長には、相関関係があるのです。

【参考資料】酸性土壌とアルミニウムストレス(PDF)
―以下引用―

人類の歴史は食糧を安全に確保するための戦いの歴史であったといえる。著しい人口増と環境ストレスの増大などから、作物が良好に育つ土壌は殆ど利用しつくされ、残されているのは作物が生育しにくい問題土壌と呼ばれるものである。その一つに酸性土壌があり、世界の農耕地の30~40%を占める。酸性土壌ではアルミニウム(Al)が土の酸性化に伴ってイオンとして溶け出し、植物根の生育を著しく阻害する。従って、酸性土壌における作物生産性を高めるため、Alストレスに打ち克つ作物等の耐性機構の解明が進められ、最近の研究で重要なAl耐性遺伝子が見つけられ、その解析が進められている。

―引用終了―

土壌が酸性になると、アルミニウムは毒性の強いアルミニウムイオン(Al3+)となって溶け出し、根の成長をストップさせます。
アルミニウムイオンはPHによって変化し、酸性下では毒性がありますが、中性下では悪さをしません。
農家の方が酸性土壌を嫌うのは、こういった事情があるからです。

降雨量と酸性土壌にも相関関係が見られます。
雨の多い所は、土の栄養分が流れ出し、痩せた土地(酸性土壌)となります。
日本も雨が多いので、酸性土壌に傾きやすい傾向にあります。
下の図は、世界の酸性土壌地帯をピンクで表したものです。
降雨量が多い地域と重なっていることがお分かりいただけるでしょう。
酸性土壌
なぜモンサントがアルミ耐性種子を開発するに至ったのか?
世界の耕作に適した穀倉地帯、耕作可能な土地は、既に耕作され尽くしています。
人口爆発によって、世界の食料需要は増えるばかりですが、この需要を満たすためには、耕作に適さない痩せた土地を改良するよりほかありません。
降雨には恵まれているが、酸性土壌ゆえに未耕地だった場所を、作物の一大産地にするために、アルミ耐性種子の開発が急務だったわけです。

ここで、世界の人口増加を表したグラフを見てみましょう。
人口
60億人を突破したニュースが、つい昨日のことのように思い出されますが、現在は71億人です。
あと37年後の2050年には90億人を突破すると予想されています。
この急カーブを描く人口増加に、食糧増産が追いつくのでしょうか?

現在、世界で8億人を超える人が飢餓状態に喘いでいます。
片や日本は、世界中から食料を輸入し、スーパーに買い物に行けば豊富な食材であふれかえっています。

世界のたった2割の先進国が、世界の穀物の半分以上を消費しているという理不尽なことが起こっているのです。
さらに、食糧は投機の対象にされ、貧しい国をより貧しく飢餓に陥らせているのです。

中年以上の方ならば、米騒動(1993年)の時の混乱を鮮明に覚えておられることでしょう。
この時、日本が各国から米を取り寄せた結果、コメ相場が変動し、飢餓に陥った国があったと云われています。

ただ、8億もの人が飢餓に陥っているのは、穀物の生産が足りないからではありません。
穀物の生産高は、年間およそ20億トンです。
これを70億人で分けると、一人当たりおよそ300kgになります。
一年間の一人当たりの穀物年間必要量は約200kgなので、本来ならば飢餓は発生しないはずなのです。

では、なぜ8億人が飢餓状態なのか?
それは、穀物が人間の口に直接入るのではなく、家畜の餌やバイオ燃料になっているからです。
牛肉1kgを作るために、穀物4kgを消費します。
今後、中国やインドなどの新たに台頭してきた国々の食肉需要が増すと、穀物の取引は益々熾烈になっていくでしょう。

そして、森を切り崩し、農地や牧場に変えることは、地球の循環システムにダメージを与えることが指摘されています。
異常気象(干ばつ、豪雨)の一因が、このような所にも潜んでいるのです。

では、従来の穀倉地帯ではこれからも豊富に収穫が見込めるのでしょうか?
雨が少ない地域では、地下水の水が作物の生産を支えていました。
地下水を汲み上げ過ぎると、塩害という別の問題が発生します。

2050年、果たして我々地球人は、地球循環システムを壊すことなく、そして、誰ひとりとして飢えることがない、素晴らしいシステムを構築出来ているのでしょうか?
話が横道にそれましたが、冒頭のケムトレイルとアルミの話に戻ります。

まず、航空機がアルミを撒いているという証拠は何一つありません。
もともと土壌に大量に含まれているのですから、わざわざ撒いても全く意味がないばかりか、単に労力の無駄と言えるでしょう。
繰り返しになりますが・・・・
モンサントがアルミ耐性種子を開発するに至ったのは、耕作に適さない酸性土壌の土地からでも、作物が豊かに収穫できるようにするためです。

ということで・・・・
ケムトレイルとモンサントのアルミ耐性種子を関連付けようとする陰謀論者のロジックは成立しません。
「世界の人口増加」のグラフを見れば、陰謀論者の主張する「ケムトレイルによる人口削減」が詭弁であることは明白ですね。


―追加―
アルミ粉末は粉塵爆発を起こします。
飛行機から撒くなどということはありえません。
その辺のところの説明は、以下のブロガーさんが丁寧に説明されています。是非読んでみて下さい。
アルミ粉末を撒くということが、如何にありえないことなのか、数値を出して検証されています。
【時事雑感】「ケムトレイル」が馬鹿げていることの証明
 http://blog.zaq.ne.jp/g-space/article/497/
 

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