2ちゃんねるで、ケムトレイルの証拠として、この動画が投稿されていました。
London low altitude chemtrails


右端にある“TANKER ENEMY”というロゴを見て、またこの人か~と苦笑いしてしまったのですが・・・・
“TANKER ENEMY”サイトのことは、以前も記事にしました。

 【過去記事】 ケムトレイルを撒いているとされる動画はジョークだった!

まず驚かされることに、動画の題名「ロンドン」が既にデマなのです(笑)

タンカーエネミーが歪曲する前の動画は、こちらです。
見比べて下さい。タンカーエネミーの動画と全く同じ映像です。

Continental Airlines 777 with 275 passengers dumping fuel over New Jersey


こちらのニュース記事を読んでみて下さい。
 http://www.nj.com/news/index.ssf/2010/05/continental_jet_dumping_fuel_o.html

2010年5月9日、米国ニュージャージー州ニューアーク発、成田行きのコンチネンタル航空が離陸後、油圧系統にトラブルが発生したため、燃料を投棄して引き返し、約50分後にニューアーク空港に緊急着陸したという事件でした。

「ロンドン」というのは一体どこから出てきたのか理解に苦しむところです。
ありえない間違いだと思うのですが、このようなデタラメでもネット上では信じてしまう人もいるのですね。


では、この時、なぜ燃料投棄をしたのか?という話に移ります。
この飛行機はアメリカから日本までという、非常に長い距離を飛行するため、多量の燃料を積んでいました。
飛行機には「最大離陸重量」と「最大着陸重量」がそれぞれ定められており、この場合、燃料を減らして機体を軽くしないと安全に着陸できなかったのです。
最大離陸重量>最大着陸重量となります。

 【参考】 wikipedia 最大離陸重量
       wikipedia 最大着陸重量
     

次は、燃料についてです。
さて、ジェット燃料は一体どこに積んであるのでしょう?
・・・・・それは翼の中です。(下の図の色がついた部分)
280px-Jet-liners_main_fuel_tanks.png
 【引用元】 wikipedia 旅客機の構造 より

なぜ翼に燃料を積むかというと、限られたスペースを有効に使う為のほかに、翼が空中分解しないようにする為です。
飛行機が上空にあがると、揚力が翼にかかり、翼は上方へと引っ張られます。
逆に、胴体は重力により下方へと引っ張られるので、翼と胴体のつなぎ目には大きな負荷がかかることになります。
そこで、翼の中を燃料タンクとして重量を増すことで、翼が極端に上方へ引っ張られる力を軽減している訳です。

このように、燃料には重りとしての役割もあるので、真ん中のタンクが最初、次が付け根寄りのタンク、といった具合に、消費する順番も決まっています。
そして、燃料放出の際は、翼の端の燃料投棄口から排出されます。
上の動画は、まさに燃料放出をしている映像であり、ケムトレイルを撒いているというのは明らかなデマです。

長距離を飛ぶ国際線の燃料タンクには、なんと、ドラム缶にして800本以上の燃料が入っています。
離陸直後の緊急事態では、この大量の燃料を減らさなければなりません。
このような場合、空港によって投棄指定場所が定められていたりするのですが・・・海に囲まれた日本では海上で投棄します。
この動画のように市街地上空で投棄するということは、余程の緊急事態でないとありません。
何はともあれ、275人の乗客と16人の乗員が全員無事で良かった!ですね。


まとめ
デマ屋の戯言に惑わされ、自らにケムトレイルの恐怖を植えつけるのはどうかやめてください。
緊急時の燃料投棄のしくみや、飛行機の構造について学べば、そのようなデマに惑わされることはないと思います。
飛行機好きの人であれば、私が書いた内容程度のことは常識でしょうし、燃料投棄の動画を見て「ケムトレイル」という人は、まずいないと思います。
ケムトレイルだと騒いでいる人は、燃料タンクの位置すら知らないのではないでしょうか。

今日も

さすが工作員
いくら金をもらっているんだろう


というコメントを書いていった人がいますが、
「工作員」と罵る前に、一次ソースくらい確認しましょうよ。
それすらせず、見ず知らずの他人を工作員扱いとは、常識の有る人間のすることではありませんね。


追記・・・コメント欄で、この記事に使ったユーチューブ動画とニュース報道を教えてくれたケンさん、ありがとうございました。

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