またまたおかしなデマが出回りました。
「日本や世界や宇宙の動向」のこちらの記事です。
―以下引用―

ケムトレイルのスイッチを切り忘れたまま着陸した飛行機

以下の映像により、空港に着陸した民間航空会社の飛行機が、ケムトレイルを撒いていたことが証明されました。パイロットがうっかり、ケムトレイルのスイッチを切り忘れたもようです。それとも、わざと空港に大量のケムトレイルを撒いたのでしょうか。彼らは人口削減計画の一環として有毒物質や生物兵器を撒き散らしているのです。特に欧米の上空は自然の雲よりもケムトレイルの雲の方が多いくらい、大量に撒かれています。これでは健康や環境に良いワケがありません。本当に酷いことをしています。
http://beforeitsnews.com/chemtrails/2014/04/busted-pilot-forgets-chemtrails-on-lands-prior-to-turning-them-off-2446934.html
(概要)
4月27日付け:
以下のビデオはつい最近投稿されたものです。飛行機のパイロットがケムトレイルのスイッチを切るのを忘れたまま空港に着陸しています。飛行機のから噴霧されているガスはケムトレイルに間違いありません。それともビデオ投稿者が映像をねつ造したのでしょうか。この映像は本物だと思います。
民間の航空会社のパイロットが着陸前にミスしたために、ケムトレイルが実際に撒かれていることが証明されてしまいました。着陸する前にケムトレイルのスイッチを切るのを忘れてしまったのです。霧に覆われた空港でも、飛行機から発射されているケムトレイル(スプレーガス)が良く見えます。この映像により、ケムトレイルがジェットエンジンの後部から発射されているのではなく、飛行機翼の後部の複数の発射口から発射されているのが分かります。

―以上、引用終了―

この記事に添付されていた動画は、クレームがついて削除されました。
オリジナル動画のタイトルを無断で変更したのですから、クレームが付くのは当然でしょう。
オリジナルの方は、もちろんちゃんと残っています。↓



しかし、ケムトレイル信者は本当に何も知らないのだなぁと、今日は改めて思いました。
上記の動画のような現象は、湿度が高く、大気中に水蒸気がたっぷりある時によく見られる現象で、翼端やフラップの端で水蒸気が凝結して雲になったものです。
このようなバカバカしいデマを真に受けるのではなく、あと一ヶ月くらいで湿度の高い梅雨になりますから、空港に足を運んで離着陸の様子を観察してみてはいかがでしょうか?
条件さえ揃えば、このような現象を必ず目にすることが出来るはずです。

翼端やフラップの端から出る渦のことを、wingtip vortex (翼端渦)というのですが、単にベイパーとも言います。
まず、ケムトレイル信者は、飛行機がなぜ空に浮かんでいられるのか、ということから学ばねばなりません。
それは、翼の上下で気圧の差が発生するからですが、この気圧の差こそがベイパーを発生させる原因なのです。
以下の参考サイトをよーく読んでください。
 
〈参考サイト〉WINGTIP VORTEX (翼端渦流)はなぜ起きるか?

こんなことは航空ファンにとっては常識中の常識。
これをケムトレイルと言ったら失笑を買うだけですよ。

こちらの映像も、非常にきれいにベイパーがでている動画です。海外の方が撮った映像です。




さて、このような現象は、飛行機だけの専売特許ではありません。
レーシングカーでも起こり得る現象です。

f1vapor.jpg
〈写真出典〉 上 http://www.f1technical.net/forum/viewtopic.php?f=6&t=14939&start=15
        左下 http://scarbsf1.com/blog1/2011/08/08/analysis-mclarens-rear-wing-vapour-trails/
        右下 http://www.pistonheads.com/gassing/topic.asp?h=0&t=630753&i=380


こちらの画像は、翼端の渦の回転がはっきり写っています。
5366_7c41.jpeg
〈写真出典〉http://aircraft.soup.io/post/242050056/wingtip-vortices

こちらは図解
400px-Wake.jpg
〈出典〉http://www.skybrary.aero/index.php/Wake_Vortex_Turbulence

もう一つおまけ。プロペラの先からも、このようなスジが見えることがあります。
MC-130J showing propeller vortices
〈写真出典〉http://bayourenaissanceman.blogspot.jp/2013/07/a-great-image-of-propeller-vortices.html

ここで取り上げた写真は、画像検索で「wingtip vortex」で検索してヒットしたサイトから拝借しました。
ぜひ、みなさんも上記キーワードを入れて検索してみてください。

さて、ここでもう一つ言及しておきます。
タイトルを改変して出回った動画(クレームにより削除された動画の方)の右下に、「Turner Radio Network」という文字が入っていました。
この、「ターナーラジオネットワーク」というサイトは、福島の放射能デマを流していることで有名な、いわゆるトンデモサイトでした。
〈参考〉http://blogs.itmedia.co.jp/sakamoto/2014/01/hosokawa-secret-0edd.html


というわけで、ここ数日ネットを騒がせたこの話題も、
ケムトレイル信者の無知から生まれたデマだったというオチでした。



最後に、私のブログを理解して下さっている、陰謀脳でないまともな方に、お口直しにこちらの本を紹介します。
「翼端渦」に関連した、ちょっと感動する話です。

V字編隊

涙の数だけ大きくなれる! 木下晴弘著
―以下引用―

なぜ、雁(ガン)はV字編隊で飛ぶのか?

「ガンって鳥は知っているよね。カリとも言うけど、空をV字の形で飛んでいくのを見たことがあるだろう。あれがガンだ。そのV字が実は下の地上からみるとよくわからないだろうけど、横から見ると立体になっていることは知っているか?」
「知らない」と答えが返ります。

「なぜ立体になっているかは理由がある。前に飛ぶガンが羽ばたくと上昇気流が起き、後ろのガンが少ないエネルギーで飛ぶことができるんだ。そのガンが羽ばたくと、今度はその後ろのガンがもっと楽に飛べるようになる。だから、ガンはV字編隊で飛ぶんだ。
 ただし、一番先頭のガンにはそうした効果がない。遠くまで飛ぶと疲れ切ってしまう。
  すると、疲れた先頭のガンは編隊を離れ、ほかのガンが前に1つずつ詰めていく。離れたガンは楽な後ろに移るんだ。一方、今まで楽をしていたガンは、まだエネルギーが余っているから、先頭を切って飛ぶことができる。
 こういう方法により、ガンは単独で飛ぶのに比較して71パーセントの力で、同じ距離を飛ぶことができる。しかも、疲れているガンに対して鳴いて励ますこともする。また、1羽が編隊から脱落すると、2羽のガンが編隊からはずれていってサポートするんだ。

 つまり、人間を含め動物というのは、ほかのサポートがあって初めてより良く生きられるんだ。
 今、君たちは、右を見ても左を見ても友達がいるだろう。前にも後ろにもいる。目の前には先生もいる。われわれみんな、一人だけでは何もできない生き物なんだ。
 君たちは、一人で走るのと二人で走るのと、どちらが速く走れる? 二人で競えば、自分も思わぬスピードが出るんだよ。
 人間は一人ではタイムが出ない生き物なんだよ。
 
 これは仕事も同じことです。
 一人でがんばっても限界があります。一人より二人のほうが力が出せるときがある、二人より三人のほうが力が出せる時がある。そして、みんなで目指したゴールに到達した時、喜びは数倍にもなる。

 今一度、あなたの人生における人間関係の意味を考えてみてはいかがですか。

―以上、引用終了―
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身近なところから、なぜそうなるのか?という疑問が、自然現象を理解するきっかけです。
どうか、安易にデマに踊らされることは、もうやめていただきたいものです。

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