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ケムトレイルが事実だと主張する根拠として、各省庁に問い合わせたユーチューブ動画がよく取り上げられますが、これは根拠となり得るのか、検証します。

動画作成者は、飛行機が残す白い煙を見て、有害物質が散布されているのでは?と心配し、いったいどこの飛行機なのか調べるために、各省庁に電話をします。

しかし、各省庁の回答は、「○○上空を、その時間帯に飛行していた記録はない」でした。
あんなに沢山の飛行機が飛んでいたのに、どこも把握していないとすると、日本の空の安全はいったいどうなっているの?
どの省庁も把握していない航空機が、日本上空を勝手に飛んでいるというのは問題ではないか?
民間機・自衛隊機でもないとすると、米軍機なのではないか?
そして、「米軍機が日本の空を勝手気ままに飛び交っている」・・・・という結論に達します。

この結論は正しいのでしょうか?
動画をざっと見た限りでは、写っていたのは民間機のものでした。
ですから、この結論は間違いです


これは、目の錯覚による誤解です。
なぜ誤解が生じたかというと・・・・・
近くに見える飛行機雲が、実際はかなり遠いものである可能性を考慮に入れていない、ということです。

では、スカイツリーの上に現われた飛行機雲の写真で解説します。

P5183874-1.jpg

この写真は、隅田川両岸に整備されている「隅田川テラス」を散策中に撮ったものです。
ちょうどいい具合に、スカイツリー上空に飛行機雲が2本出来ました。
赤い矢印の方は、時間が経って崩れかけていますが、黄色の矢印の方は、出来てまもない飛行機雲です。


ではここで問題です。
スカイツリーの上の2本の飛行機雲は、私が撮影した地点から直線距離でどのくらい離れているでしょうか?

簡単な数学で、おおよその答えが出ます。
仰角と、一辺の長さが分かっていれば、求める距離が出ます。
仰角とは、下の図のように、木を見上げた時の視線と、水平面との間にできる角度のことをいいます。
例えば下の図で、木までの距離と仰角が分かれば、木の高さが何メートルなのかが分かります。
 木の高さ=木までの距離×tan(仰角)+目の高さ

仰角

ピンクで塗ったところの角度は、すべて同一だということは一目瞭然ですよね?
ですから、分度器の90°と、中心から下げたおもりとの間の角度を測定すればよいのです。

右の写真は、私が自作した簡易仰角測定器です。
分度器の中心に正確に小さい穴をあけ、テグスを通し、おもりをぶら下げます。
上の辺には、照準器となる、中空の棒を取り付けました。(ストローでOK)

では、この簡易仰角測定器が役に立つものなのか、実際に測って調べてみます。
スカイツリーのてっぺん高さは、634メートル。
仰角を測ってみると、10°でした。

イラスト  
  tan10°は、0.1763 なので、
  私のいる場所からスカイツリーまでの距離は、
  634÷0.1763=3596(メートル)です。

  撮影地点は、清洲橋を下りてすぐの地点
  直線距離を割り出すサイトで調べて見ると・・・・
  約3500メートルでした。

だいたい合っていたので一安心。
次は、肝心の飛行機雲までのおおよその距離を測定してみました。

飛行機雲が発生する高度は、おおよそ10000メートルなので、地上から飛行機までの高さは10000メートルと仮定してしまいます。
(実際は1万メートルを前後しますが、おおよその距離が分かればよいので、ここでは誤差は無視します)

黄色の矢印の飛行機雲の仰角は、37°
の矢印の飛行機雲の仰角は、14°でした。

距離=高度(10000メートル)÷tanθ ですから、計算してみると、
黄色の矢印の飛行機雲までの距離は、13270メートル
の矢印の飛行機雲までの距離は、40112メートル

黄色の方は約13キロ・・・・
地図で見てみると、埼玉県八潮(埼玉南東部)あたりの距離になることが分かりました。
の方は、約40キロ。 これは、茨城水海道市(茨城南部)あたりの推定になります。
(基点は清洲橋、目安をつけた地点は清洲橋から該当距離に相当する任意の点です)

約40キロということは、横浜⇔所沢間よりも離れているということになります。

距離

2点間の距離を割り出すサイトは、こちらを利用しました → http://www.alles.or.jp/~halcyon/


ここで、飛行機雲を高度1万メートルと仮定した時の、その仰角に対する距離を計算した表を作ってみました。

img050.jpg

   飛行機雲が水平線の1°
   上に見えた時、
   計算上は571キロ
   離れていることになります
   
   直角の半分、45°で
   ちょうど飛行機雲の推定高度と
   同じ距離、10キロ離れている
   ということです

   
   45°から目線が上に
   上がっていくにつれ、距離は
   どんどん短くなっていきます

   仰角が大きくなるほど
   1°の誤差の影響も
   大きくなります

つまり、何が言いたかったかというと、「○○市上空を飛んでいる飛行機」だと思っていたものは、

実際はずっと遠い所を飛んでいた可能性が高い、ということです。

ですから、質問内容に対して、「その時間帯に該当機は飛んでいない」という回答になったとしても、
日本の空を不審機が勝手気ままに飛び交っている、ということには全くならないのです。


都内でも、冬の晴れた日には、富士山が見える地点がいくつかあります。
(逆に、静岡県でも、富士山がまったく見えない地域もあります)


つまり、人間が見渡せる範囲というのは、意外と広いので、
仰角のほんのわずかな違いが、大きな距離の差を生む、ということなのです。


ということで、「各省庁に問い合わせたユーチューブ動画」は、ケムトレイルが事実だという根拠にはなり得ません。

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