前回記事 「ケムトレイル散布機の内部写真」と云われている物の正体 の続きです。
 http://contrail951.blog.fc2.com/blog-entry-50.html

前回、テスト飛行で重心位置を変えて飛行することの必要性について、何も理解しないで当ブログを批判しているブロガーがいること、それについて次回説明すると書きました。

まずは、「ケムトレイル陰謀論を斬るを斬る」というタイトルで当ブログを批判しているブログを紹介します。
 3.11を追って  http://haarp166.blog.fc2.com/blog-entry-138.html

以下、問題の部分を引用します。

よく陰謀説を否定するサイトなどをここ数年見かけますが、なぜもっと昔からそのようなサイトが多くなかったのでしょう?

私はそのようなサイトを全て批判するつもりはないのですが、今までいくつかそのような反陰謀論的なサイトを読むうちにそのようなサイトを批判したいと思えることがいくつもありました。
しかし、完璧に調べてから記事にするのもいたちごっこというかキリのないところがありましたので今までは記事にはしませんでしたが試に記事にしようと思います。

このサイトに何の恨みもないのですが、とりあえず今回取り上げるのはこのサイトです。

ケムトレイル陰謀論を斬る
   ・・・
  (以下、当ブログの引用)・・・・省略
   ・・・
と書かれていますが、難しい話は抜きにして「なぜ水のタンクを積まずに重心をコントロールできる機体を造らなかったのか?」という指摘はどうでしょうか?

ついこのまえもボーイングという名の飛行機についていくつもニュースがありました。

参考までに

ボーイング787運航再開

ボーイングという名前は十年ほど前にも耳にした方も多いのではないでしょうか?

そう、9.11同時多発テロです。

きっと、飛行機に不備があるのも9.11の時の飛行機がボーイング社であることもましてなかなか消えない飛行機雲も原因不明なのでしょう。

ウォーターバラストタンクとやらはさぞ役にたっていることでしょう。

以上、引用終了

難しい話は抜きにして「なぜ水のタンクを積まずに重心をコントロールできる機体を造らなかったのか?」という指摘はどうでしょうか?
ということですが、まず指摘自体が的外れと言えますし、難しい話を抜きにしたら駄目じゃないですか?と逆に言いたいですね。
また、ボーイングという名前自体を陰謀と結びつけていることにも驚かされました。

最後の、「ウォーターバラストタンクとやらはさぞ役にたっていることでしょう。」
この文で、ケムトレイルは事実であるとほのめかしているのでしょうが、これこそ陰謀論者お得意の、「火のない所に煙を立てる」行為といえるでしょう。

この方は、紙飛行機を作って遊んだ経験が一度もないか、経験はあっても忘れてしまったかのどちらかです。
紙飛行機を作って飛ばす時、重心位置が前過ぎてもすぐに墜落してしまうし、後ろ過ぎてもすぐに失速して落ちてしまいます。
スーッと気持ちよく遠くまで飛んでいくようにするには、重心位置が適切な所に来るように工夫しなければなりません。


航空機の重心、重心、というけど、一体どういうこと? という方のために、こちらの本を紹介します。

カーリルで開く

以下、105ページ、「燃料搭載と重量とバランス」より引用

img058.jpg 乗客、貨物、燃料などの搭載量とその搭載場所によって旅客機の重心位置は変化するが、それは定められた範囲に収まる必要がある。前方限界と後方限界の間がその範囲である。これは、離着陸時も飛行中も越えてはならない。図2-3-4に、中央翼部に燃料タンクを設けている飛行機(ボーイング777-200)の限界を示す。

 重心位置が前方限界を超えてしまうと、離陸時に機種が上がらず、前脚が破損するおそれがある。また、後方限界を超えて飛行すると、地上で尻もちをついたり、離陸滑走中に方向が保てず不安定になったりする可能性も高まる。

 重心位置は、乗客と貨物の搭載位置や、燃料をどのタンクにどれだけ入れるかなどで調整する。飛行計画を立てる上で、重心位置の決定も重要な要素の一つとなっている。

以上、引用終了


もう一冊。こちらは読み物としても面白く、当ブログ管理人お気に入りの一冊です。

カーリルで開く

飛行中にトイレに立ったりという人の動きが、重心位置をわずかに変化させているということに、私たち乗客側からすると、全く気付かないものですが・・・・機長はすべて把握しているのですねぇ。

以下、「富士山見物に要注意」102ページより引用

 前にも述べたように、巡航では通常、トリムすなわち飛行機のバランスをとってから、自動操縦装置を入れた状態で飛んでいる。ところが、自動操縦で飛んでいるうちに、しだいに飛行機全体の重量バランスが変わってくる。燃料が少しずつ消費され、その分だけ機体の一部が軽くなるからだ。そうすると、いったん自動操縦装置を解除し、トリムをとり直して、再び自動操縦装置を入れるという作業が必要になる。

 その際に、キャビンでの人の動きが影響する。しょっちゅう人が立ったり座ったり歩いたりしているときには、精密にトリムをとりきるのは、なかなか難しい。そこで、夜間飛行の場合であれば、機内でのサービスも終わり、人々が寝静まったような頃合いを見計らってトリムをとるのだが、舵のぐあいなどを調節し、やっとトリムがとれたかな、と思った瞬間に、完璧かと思われたトリムが微妙にくずれてしまう。重心が後方から前方に、きわめてわずかながら移動している。「誰か、スチュワーデスが一人、後ろから前に歩いてきたな」と、わかる。

 スチュワーデスが歩き終わるのを待って、もう一回トリムのとり直し、である。

以上、引用終了

田口美貴夫氏の著書を読めば分かるように、飛行機って意外と繊細な乗り物なのです。
毎日、何千機もの飛行機が当たり前のように飛んでいますが、その「あたりまえ」は、多くの人の技術や緻密な計算によって支えられているのです。


記憶に新しいところでは、韓国の旅客船セウォル号が沈没して多数の死者が出た痛ましい事件がありますが、事故の原因として、過積載とバラスト水を故意に抜いたこと、改造により重心位置が高くなっていたことなどが指摘されています。
このような状態で燃料が消費されバランスが崩れると、安定状態に復元するのは至難の業だったのでしょう。
亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。

大型トラックでも、過積載に近い状態で、前にばかり偏った積み方をすると、急にブレーキを踏んでも止まらなくなりますし、左右どちらかに偏っているとカーブを回り切れず横転します。

飛行機も同様です。
貨物機で、離陸直後に積み荷が移動し、重心位置が大きくずれたために墜落したという事故が去年ありました。
私たちが飛行機に乗って、離着陸時にシートベルトを必ず着用しなければならないのは、怪我をしないためだけでなく、重心位置を変化させないためでもあります。

重心の前方限界、後方限界の範囲は、ほんの数メートルの範囲なので、重心を、適切な重心位置に収めることは大変重要なのです。

以前当ブログで、重心位置を管理している仕事をしている人について触れました。
参照:JALやANAがケムトレイルを散布しているだってぇ?
    http://contrail951.blog.fc2.com/blog-entry-33.html


さて、何でもそうですが、新しい物を作ったら、ちゃんと機能するかテストしなければなりませんよね。
旅客機運航には安全が第一
飛行試験もしていない旅客機にあなたは乗りたいですか?

例えば気象条件に関するテストでは・・・・
極寒から灼熱地獄の砂漠まで、あらゆる環境下で実施されます。

日常運航に至るまでには、考え尽くされるありとあらゆる条件下での試験をパスする必要があるのです。

日々のフライトによって、搭載量は変化します。
また、搭載バランスによって重心位置は変わりますが、重心が偏ると操縦にも影響を及ぼします。

つまり飛行試験では、重心位置が前方限界と後方限界の間のどの位置にあっても安全に飛行することが出来、操縦性も保たれることを、ボーイング社が証明しなければならないのです。

しかし、飛行試験のためにわざわざ乗客や貨物を載せる訳にはいきません。
水ならば、飛行中に想定される乗客や乗員の動きを、タンク間で水を移動させることによってシミュレートすることも可能です。
だから、最も安価に設置出来るバラストとして、水を採用しているのです。


次は“ボーイング”について

「9.11の時の飛行機がボーイング社であること」から、ボーイング社と陰謀を結び付けているようですが、御巣鷹山に墜落した日航機123便もボーイング社と教えたら、このような方はますます陰謀論に傾倒してしまうのでしょうか?

似たような話で、かなり前からネット上の笑い話となっている面白ツイートを紹介します。
https://twitter.com/kurio9638/status/236714208849440768
2012817.jpg

言うまでもありませんが、JAL、ANAの両方とも、保有機材のほとんどがボーイング社製です。
参照: https://www.jal.com/ja/outline/corporate/aircraft.html
     http://www.ana.co.jp/cp/kibo/main.html

陰謀論を展開している本人にしてみれば、真剣この上ないのかもしれませんが、事実を知っていれば笑い話でしかありません。
笑い話で済んでいる内はいいのですが、デマを真に受け、被害妄想や他者への攻撃性を持つまでに至るとなると、もはや黙って済む問題ではなくなります。
ケムトレイル陰謀論に関していうと、日本でもこのレベルになってきたと感じたので、このブログを書き始めました。

しかし、ケムトレイル陰謀論者のサイトを見ると、見るに堪えないデマが堂々と載っていたりします。
要するに、ケムトレイル陰謀論を信じている人というのは、何も分かっていない状態で騒いでいるだけなのです。


世の中みんな陰謀論者になったら世も末ですが、希望の光も。
以下リンクは、岐阜市立合渡小学校4年の松久剛典くんの研究 「紙飛行機のひみつ」
http://www.gifu-gif.ed.jp/science/kagakusakuhin/kinsho/pdf/14.pdf

小学生でもこのように筋道を立てて思考できる子はいます。
子供のうちから論理的に考える力を磨くのは、デマを見極める上でとても大切なことですね。

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