前回記事 「ケムトレイル散布機の内部写真」と云われている物の正体 の続きです。
 http://contrail951.blog.fc2.com/blog-entry-50.html

前回、テスト飛行で重心位置を変えて飛行することの必要性について、何も理解しないで当ブログを批判しているブロガーがいること、それについて次回説明すると書きました。

まずは、「ケムトレイル陰謀論を斬るを斬る」というタイトルで当ブログを批判しているブログを紹介します。
 3.11を追って  http://haarp166.blog.fc2.com/blog-entry-138.html

以下、問題の部分を引用します。

よく陰謀説を否定するサイトなどをここ数年見かけますが、なぜもっと昔からそのようなサイトが多くなかったのでしょう?

私はそのようなサイトを全て批判するつもりはないのですが、今までいくつかそのような反陰謀論的なサイトを読むうちにそのようなサイトを批判したいと思えることがいくつもありました。
しかし、完璧に調べてから記事にするのもいたちごっこというかキリのないところがありましたので今までは記事にはしませんでしたが試に記事にしようと思います。

このサイトに何の恨みもないのですが、とりあえず今回取り上げるのはこのサイトです。

ケムトレイル陰謀論を斬る
   ・・・
  (以下、当ブログの引用)・・・・省略
   ・・・
と書かれていますが、難しい話は抜きにして「なぜ水のタンクを積まずに重心をコントロールできる機体を造らなかったのか?」という指摘はどうでしょうか?

ついこのまえもボーイングという名の飛行機についていくつもニュースがありました。

参考までに

ボーイング787運航再開

ボーイングという名前は十年ほど前にも耳にした方も多いのではないでしょうか?

そう、9.11同時多発テロです。

きっと、飛行機に不備があるのも9.11の時の飛行機がボーイング社であることもましてなかなか消えない飛行機雲も原因不明なのでしょう。

ウォーターバラストタンクとやらはさぞ役にたっていることでしょう。

以上、引用終了

難しい話は抜きにして「なぜ水のタンクを積まずに重心をコントロールできる機体を造らなかったのか?」という指摘はどうでしょうか?
ということですが、まず指摘自体が的外れと言えますし、難しい話を抜きにしたら駄目じゃないですか?と逆に言いたいですね。
また、ボーイングという名前自体を陰謀と結びつけていることにも驚かされました。

最後の、「ウォーターバラストタンクとやらはさぞ役にたっていることでしょう。」
この文で、ケムトレイルは事実であるとほのめかしているのでしょうが、これこそ陰謀論者お得意の、「火のない所に煙を立てる」行為といえるでしょう。

この方は、紙飛行機を作って遊んだ経験が一度もないか、経験はあっても忘れてしまったかのどちらかです。
紙飛行機を作って飛ばす時、重心位置が前過ぎてもすぐに墜落してしまうし、後ろ過ぎてもすぐに失速して落ちてしまいます。
スーッと気持ちよく遠くまで飛んでいくようにするには、重心位置が適切な所に来るように工夫しなければなりません。


航空機の重心、重心、というけど、一体どういうこと? という方のために、こちらの本を紹介します。

カーリルで開く

以下、105ページ、「燃料搭載と重量とバランス」より引用

img058.jpg 乗客、貨物、燃料などの搭載量とその搭載場所によって旅客機の重心位置は変化するが、それは定められた範囲に収まる必要がある。前方限界と後方限界の間がその範囲である。これは、離着陸時も飛行中も越えてはならない。図2-3-4に、中央翼部に燃料タンクを設けている飛行機(ボーイング777-200)の限界を示す。

 重心位置が前方限界を超えてしまうと、離陸時に機種が上がらず、前脚が破損するおそれがある。また、後方限界を超えて飛行すると、地上で尻もちをついたり、離陸滑走中に方向が保てず不安定になったりする可能性も高まる。

 重心位置は、乗客と貨物の搭載位置や、燃料をどのタンクにどれだけ入れるかなどで調整する。飛行計画を立てる上で、重心位置の決定も重要な要素の一つとなっている。

以上、引用終了


もう一冊。こちらは読み物としても面白く、当ブログ管理人お気に入りの一冊です。

カーリルで開く

飛行中にトイレに立ったりという人の動きが、重心位置をわずかに変化させているということに、私たち乗客側からすると、全く気付かないものですが・・・・機長はすべて把握しているのですねぇ。

以下、「富士山見物に要注意」102ページより引用

 前にも述べたように、巡航では通常、トリムすなわち飛行機のバランスをとってから、自動操縦装置を入れた状態で飛んでいる。ところが、自動操縦で飛んでいるうちに、しだいに飛行機全体の重量バランスが変わってくる。燃料が少しずつ消費され、その分だけ機体の一部が軽くなるからだ。そうすると、いったん自動操縦装置を解除し、トリムをとり直して、再び自動操縦装置を入れるという作業が必要になる。

 その際に、キャビンでの人の動きが影響する。しょっちゅう人が立ったり座ったり歩いたりしているときには、精密にトリムをとりきるのは、なかなか難しい。そこで、夜間飛行の場合であれば、機内でのサービスも終わり、人々が寝静まったような頃合いを見計らってトリムをとるのだが、舵のぐあいなどを調節し、やっとトリムがとれたかな、と思った瞬間に、完璧かと思われたトリムが微妙にくずれてしまう。重心が後方から前方に、きわめてわずかながら移動している。「誰か、スチュワーデスが一人、後ろから前に歩いてきたな」と、わかる。

 スチュワーデスが歩き終わるのを待って、もう一回トリムのとり直し、である。

以上、引用終了

田口美貴夫氏の著書を読めば分かるように、飛行機って意外と繊細な乗り物なのです。
毎日、何千機もの飛行機が当たり前のように飛んでいますが、その「あたりまえ」は、多くの人の技術や緻密な計算によって支えられているのです。


記憶に新しいところでは、韓国の旅客船セウォル号が沈没して多数の死者が出た痛ましい事件がありますが、事故の原因として、過積載とバラスト水を故意に抜いたこと、改造により重心位置が高くなっていたことなどが指摘されています。
このような状態で燃料が消費されバランスが崩れると、安定状態に復元するのは至難の業だったのでしょう。
亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。

大型トラックでも、過積載に近い状態で、前にばかり偏った積み方をすると、急にブレーキを踏んでも止まらなくなりますし、左右どちらかに偏っているとカーブを回り切れず横転します。

飛行機も同様です。
貨物機で、離陸直後に積み荷が移動し、重心位置が大きくずれたために墜落したという事故が去年ありました。
私たちが飛行機に乗って、離着陸時にシートベルトを必ず着用しなければならないのは、怪我をしないためだけでなく、重心位置を変化させないためでもあります。

重心の前方限界、後方限界の範囲は、ほんの数メートルの範囲なので、重心を、適切な重心位置に収めることは大変重要なのです。

以前当ブログで、重心位置を管理している仕事をしている人について触れました。
参照:JALやANAがケムトレイルを散布しているだってぇ?
    http://contrail951.blog.fc2.com/blog-entry-33.html


さて、何でもそうですが、新しい物を作ったら、ちゃんと機能するかテストしなければなりませんよね。
旅客機運航には安全が第一
飛行試験もしていない旅客機にあなたは乗りたいですか?

例えば気象条件に関するテストでは・・・・
極寒から灼熱地獄の砂漠まで、あらゆる環境下で実施されます。

日常運航に至るまでには、考え尽くされるありとあらゆる条件下での試験をパスする必要があるのです。

日々のフライトによって、搭載量は変化します。
また、搭載バランスによって重心位置は変わりますが、重心が偏ると操縦にも影響を及ぼします。

つまり飛行試験では、重心位置が前方限界と後方限界の間のどの位置にあっても安全に飛行することが出来、操縦性も保たれることを、ボーイング社が証明しなければならないのです。

しかし、飛行試験のためにわざわざ乗客や貨物を載せる訳にはいきません。
水ならば、飛行中に想定される乗客や乗員の動きを、タンク間で水を移動させることによってシミュレートすることも可能です。
だから、最も安価に設置出来るバラストとして、水を採用しているのです。


次は“ボーイング”について

「9.11の時の飛行機がボーイング社であること」から、ボーイング社と陰謀を結び付けているようですが、御巣鷹山に墜落した日航機123便もボーイング社と教えたら、このような方はますます陰謀論に傾倒してしまうのでしょうか?

似たような話で、かなり前からネット上の笑い話となっている面白ツイートを紹介します。
https://twitter.com/kurio9638/status/236714208849440768
2012817.jpg

言うまでもありませんが、JAL、ANAの両方とも、保有機材のほとんどがボーイング社製です。
参照: https://www.jal.com/ja/outline/corporate/aircraft.html
     http://www.ana.co.jp/cp/kibo/main.html

陰謀論を展開している本人にしてみれば、真剣この上ないのかもしれませんが、事実を知っていれば笑い話でしかありません。
笑い話で済んでいる内はいいのですが、デマを真に受け、被害妄想や他者への攻撃性を持つまでに至るとなると、もはや黙って済む問題ではなくなります。
ケムトレイル陰謀論に関していうと、日本でもこのレベルになってきたと感じたので、このブログを書き始めました。

しかし、ケムトレイル陰謀論者のサイトを見ると、見るに堪えないデマが堂々と載っていたりします。
要するに、ケムトレイル陰謀論を信じている人というのは、何も分かっていない状態で騒いでいるだけなのです。


世の中みんな陰謀論者になったら世も末ですが、希望の光も。
以下リンクは、岐阜市立合渡小学校4年の松久剛典くんの研究 「紙飛行機のひみつ」
http://www.gifu-gif.ed.jp/science/kagakusakuhin/kinsho/pdf/14.pdf

小学生でもこのように筋道を立てて思考できる子はいます。
子供のうちから論理的に考える力を磨くのは、デマを見極める上でとても大切なことですね。

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今日は、「ケムトレイル散布機の内部写真」の検証、第4弾です。
月刊エアラインのバックナンバー(2011年9月号)を読み返していたら、テスト機の水バラストが載っているページを発見。
過去記事でも説明した通り、これは「ケムトレイルの粉」が入ったタンクではなく、ただの水が入ったバラストタンクです。

以下リンクは、当ブログの関連記事です。
 B-777バージョン http://contrail951.blog.fc2.com/blog-entry-3.html
 A-380バージョン http://contrail951.blog.fc2.com/blog-entry-4.html
 B-787動画     http://contrail951.blog.fc2.com/blog-entry-28.html

表紙jpg

63ページ、「飛行試験機ZA002 キャビン」 より以下引用

テスト機の性格がもっとも現われているのがキャビンである。
そこには通常の旅客機としてのキャビンはなく、試験機材とバラストが所狭しと並んでいた。


 ZA002は外観こそANA塗装だが機内は完全に飛行試験用の仕様となっている。キャビンは第1ドアから第2ドアの間、そして第3ドアから第4ドアの間に水タンクが並べられており、タンク間の水を移送することで飛行中に重心を変更することが可能である。
 第2ドアから第3ドアまでの間には各種監視装置や計測装置、記録装置が並び、それぞれにエンジニアが座るようになっている。具体的には飛行解析席、エンジン(ロールスロイス)席、技術解析席(システム、構造、推力、安定性と操縦性、性能、アビオニクス、自動操縦装置などを分析)、重量重心席、計器計測席、酸素分析席(ZA002だけに搭載されたシステムで燃料タンク内の空気を分析して酸素量を測定する)などといった席が置かれている。またキャビン最後部には透明なビニールチューブを巻いた巨大なリールがあるが、これは垂直尾翼先端から伸ばす静圧測定コーン(円錐)を接続するものだ。初飛行当時の787の写真では、このコーンを後方に伸ばしているのが見られるはずだ。

中段の説明文

1. キャビン前方と後方にはバラスト用の水タンクが並んでいる。タンク間で水を移動して重心を変化させることも可能だ。
2. 名古屋で初めて撮影が許可されたZA002の機内。2番ドアから3番ドアの間には計測用の機器などがずらりと並ぶ。
3. 試験飛行の要ともいえる飛行解析席。
4. キャビン最後部の圧力隔壁と静圧コーン用のリール(右側)。
5. 最後部に設けられたラバトリー。オプションのウォッシュレットは装備されていないようだ。
6. L1ドア開口部に貼られていたプレート。モデルナンバーは「787-83Q」、シリアルナンバーは「40691」とある。
7. 地上ではおなじみではあるが、旅客機としては新しく導入された非常口のサイン。
8. 内装がむきだしになったドア。黄色のカバーがついたハンドルが開閉用で、さらに中央のヒンジ部のハンドルを持ってドアの開け閉めをできる。右上の丸い円盤はモードセレクター。上部には内外の気圧差をなくすベントフラップがつく。
9. 一部だけ装備されたオーバーヘッドビン。把手は上を引いても下を引いてもよい。新しい737NGにも採用されている。
10.内装パネルがなくむきだしの状態の窓。電気シェードはまだ組み込まれていない。

(バラストタンクに関する箇所を赤文字にしました)

上記の記事に載っていたバラストタンクは、B787動画で紹介されている、こちらの黒いタンクと同じです。
787-1.jpg
参照: http://www.youtube.com/watch?v=uHAf7HzMG8g


もう一冊ご紹介します。
Boeing Widebodies   著者:Michael Haenggi

ボーイング本

この本の15ページに、バラストタンクの説明書きがありました。

バラスト

英語の記述部分を簡単に説明します。

水タンクは、試験飛行時、乗客や積み荷の積載をシミュレートするための重しである。
様々な重量をシミュレート出来るだけでなく、異なる重心位置での飛行をシミュレートするために、タンクを繋いでいるパイプを通して前方や後方に水を移動させることが出来る。

参照: http://books.google.co.jp/books?id=OEniu9ff-_sC&lpg=PA15&ots=wPQCw1mUFC&dq=747+flight+testing+ballast&pg=PA15&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false



“月刊エアライン”の方は、ボーイング787の試験飛行機のバラストタンク、“ボーイング”本の方は、ボーイング747のバラストタンクです。

なぜ「ケムトレイル陰謀論」が、航空ファンには相手にもされないのでしょうか?
それは、この説にまんまとひっかかるのは、上記の雑誌や本を購入して読んだこともない、飛行機に全く関心のない層が騒いでいるだけだからです。

テスト飛行での、重心を移動させる必要性について理解しないで当ブログを批判しているブロガーがいますが、次回説明しますのでお楽しみに・・・・

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前回記事 「ケムトレイル陰謀論」が生まれたきっかけ  ウイリアム・トーマス編 の続きです。
 http://contrail951.blog.fc2.com/blog-entry-48.html

前回記事では、「ケムトレイル陰謀論」を作り上げた主要な人物がウイリアム・トーマスであること、仮説そのものが間違っていたこと、90年代後半という、あの時代だからこそ成立した陰謀論であること、などをご紹介しました。
結局、「ハルマゲドン」も、「コンピュータ2000年問題」も起こらなかったのです。


今日は、ウイリアム・トーマスが1999年2月10日に、討論サイト上で仲間に出したメールを紹介します。
==============================
ジョン・ハメル氏へ
題名:すぐに隠れてください!

ジョン、頭上にたくさん飛行機雲が現われる時には、屋内に留まるように皆に教えてあげてください。
私はイギリス、BBCの写真を入手しました。
それは、突然の呼吸器疾患で亡くなった人の死体が入ったフリーザーを写したものでした。
BBCによると2週間で6000人が呼吸不全で亡くなった、ということです。

ここでは、人々は、まさに病気になっています。
アッシュヴィル、ノックスヴィル、ダラス、その他米国の都市は、先週の金曜日に酷い散布をされましたが、その後も継続して散布されています。
私は今朝、ルイジアナで発生した「ずっと治まらない咳」による「多くの死」の報告を受けました。

これは大変なことです。これは事実です。
全国至る所で、深刻な呼吸器疾患の患者がER(救急救命室)に溢れかえっているのを、私は確かめました。
医師はニューヨークタイムズに、「これはインフルエンザではない」と語りました。
インフルエンザをはるかに上回る速度で感染し、人々が死んでいるのです。

散布された後の、JP-8が検出された土壌サンプルの検査結果を私は持っています。
JP-8に含まれるニ臭化エチレンの使用は、環境保護庁によって禁止されているのですが・・・・・
(ニ臭化エチレンは発癌物質であり、これを少しでも吸入すると、呼吸器系を侵すという非常に有毒な物質です)

緊急事態警報です! ジョン、皆を批難させてください
これは避難訓練などではないのです。私のウエブサイトをチェックして下さい。
我々全員の幸運を祈ります。
 
ウイリアム・トーマス
==============================

このように、ウィリアム・トーマスは米国と英国で、ケムトレイルにより大勢が死亡したかのような話をネット上でヒステリックに展開していたのですが、このような事実はありませんでした。
1999年にイギリスで6000人もの死者が出た事実はありませんし、ルイジアナ州で呼吸器系感染症による死亡者数が非常に多かった、という事実もなかったのです。



 ケムトレイル・ビジネス

当時、ウィリアム・トーマスはウェブ上で、USANA(ユサナ)ブランドのビタミンをはじめ、各種サプリメントの販売・紹介をしていました。
ケムトレイルによって破壊される免疫系を復活させるのに有効なサプリメントとして。

2月といえば、インフルエンザをはじめ、咳をともなう風邪が猛威をふるう季節です。
激しく咳き込んでる人が周りに大勢いたとしたら、このメールの信憑性について疑うことなく信じてしまう人もいたことでしょう。

参照: wikipedea ユサナ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%82%B5%E3%83%8A 


そして、現在でも、ケムトレイル陰謀論者が推奨しているコロイド銀
コロイド銀とは、人体には害を及ぼさない、天然の抗生物質であり、強力な殺菌効果を持つため何にでも効くと謳われているサプリメントで、ケムトレイル散布による健康被害対策として、ウィリアム・トーマスなどのケムトレイル扇動家によってさかんに宣伝されていました。
 (注: コロイドシルバー、コロイダルシルバー、銀コロイド、と記載しているサイトもあります)
もちろんこれも、彼のサイトで紹介されていました。

picture_2.jpg
    ただ、本当に人体に無害かというとそうではなく、
    継続して服用すると銀皮症という、
    顔が青黒く変色する副作用があります。
    
    しかもこの症状は一生消えないのです。


参照: 皮膚が永遠に青くなるサプリメント『コロイダルシルバー』



カンパの要求―真実の追求のために―

さらにウイリアム・トーマスは、ケムトレイルを証明するための土壌サンプリング費用として、多額の寄付の要求をしていました。(一説によると20000ドル、約200万円)
しかし、その後、土壌サンプリングが適切に行われ、結果が公開されたという話は一切ありません

また、ケムトレイルTシャツの売り上げの一部が、ウイリアム・トーマスの活動のための寄付になるという仕組みもありました。
参照: http://web.archive.org/web/20000817011330/azwest.net/user/slim/
 (このサイトは、今日本で騒がれている陰謀論コンテンツのほぼすべてが既に網羅されています)

上記の参照アーカイブ中にその記述があるのですが、見つけにくいので切り貼りしておきます。
Tシャツ
Tシャツを一枚買うと、自動的に5ドルがウイリアム・トーマスへ寄付される、ということです。



 “騙されやすいカモは毎分生まれてくる”

上記は、バーナムの法則といわれる、19世紀アメリカの興行師、フィニアス・テイラー・バーナムが残した名言です。

明らかにおかしな話であっても、騙されて詐欺に遭う人は、世界中の至る所に存在します。
身近な例として、これだけ大々的に注意喚起が行われても、オレオレ詐欺に遭う老人が一向に後を絶たないことからも頷けますね。
まさに詐欺師にとってのカモは「毎分」生まれているのです。

ケムトレイルの場合で考えて見ましょう。
読者にとって、ウイリアム・トーマスなどの活動家は、悪の組織と戦う正義のヒーローとして映ります。
したがって、情報そのものが間違っているのでは?と疑うこと自体、正義のヒーローを貶めることになるので、ソースをいちいちチェックすることもなく、スルッと信じてしまうのです。

一度信じてしまうと、信じた情報を補足・裏付けする情報ばかり探すようになります。
そして、その情報を通じて出会った共感する仲間が増えると共に、自分も戦いに参加しているような気持ちになり、一層強固に“正しい側にいる”と思うようになります。


当ブログを攻撃してくる方も、大抵はそのような人ですが、中にはそうでない人もいます。
それは、ビジネスに繋げる人です。


はっきり言いますが、ケムトレイルなどという陰謀論を扇動している有名人活動家の目的は、カネです。
落ち目のジャーナリスト、干されたタレントが生きていくには、このようなネタが必要なのです。
恐怖ネタほど大衆の興味を引くものはありません

恐怖を煽るだけ煽っておいて、我こそは正義の味方と信じ込ませて物品を購入させるのです。

・「真実」を知るための本、DVD
・足を運んだ人だけが知ることが出来る「真実」を聞くための講演会チケット
・ケムトレイルに負けない体を作るサプリメント


そして、個人が巨大な悪の組織と戦うためには皆さんからのカンパが必要ですなどと、寄付を募ります。
全くやましい所がなければ、寄付されたお金をどう使ったか、収支報告がなされるはずです。
寄付を募っているが、きちんと収支報告がなされていないサイトに寄付するのは絶対にやめましょう。

デマだろうが何だろうが、食っていくためには何でもやる、というのが詐欺師です。
詐欺師は至る所で“騙されやすいカモ”を探し、罠を仕掛けてきます。

詐欺師を撲滅するには、我々が、騙されないように知恵をつけるしかないのです。

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日本版ウィキペディアによると、

Chem-Trail, (ケム・トレイル) という言葉は、
2004年にエイミー・ワージントンによって初めて使われた言葉で

(以下省略)
と定義されていますが、この記述は誤りです。


ケムトレイルという単語がはじめてネット上に現われたのは、1999年です。

そして、「ケムトレイル陰謀論」を世に知らしめるきっかけとなった重要な人物が、ウィリアム・トーマスです。


ウィリアム・トーマスは、
米国出身の、60年代中頃から活動している、反戦活動家として知られるジャーナリストです。
1970年に米国を離れ、カナダに政治亡命しました。
湾岸戦争時の取材は各国のニュースで取り上げられ、1991年には米国環境フェスティバル賞を受賞しています。著書も何冊かあり、日本では、携帯電話の危険性を訴えた記事が有名で、翻訳、引用しているブロガーもいました。


そして、何と言っても、、、彼を最も有名にしたのは、後にケムトレイルと名付けられた、化学物質を含むと危惧されていた飛行機雲説を発表したことです。


時代は、90年代末というまさに千年代の終わり。
白人至上主義のキリスト教団体や陰謀論者が、さかんに終末論を煽っていた時期です。
「ユダヤによる人口削減計画」や「第三次世界大戦」を本当に信じていた人が少なからず存在した時代でした。


当初問題にされていたのは、軍用ジェット燃料JP-8に含まれるとされる、有毒なニ臭化エチレン(EDB)でした。
それまで使われていたJP-4から、JP-8に完全に切り替わったのが、1996年秋。
 (JP-8は、JP-4よりも、安全性、不燃性に優れている、軍用機専用のジェット燃料)
JP-8は、添加剤として有毒なニ臭化エチレン(EDB)を含有している、と言われ、発癌性や環境汚染を懸念する声があがっていました。


アメリカの陰謀論者は、連邦政府に対する根強い反感が根底にあります。
新世界秩序(New World Order)に既に支配されている連邦政府は、アメリカ国民を抑圧し、人口を削減しようとしている、という説も、反連邦主義が生んだ陰謀論なのです。
また、アメリカこそが聖書に書かれている約束の地であり、ミレニアム到来の前に、ハルマゲドンは避けられないと説く、キリスト教原理主義の白人至上主義を掲げる団体の活動も活発でした。
曰く、湾岸戦争の報復として、生物兵器によるテロが迫っている、、、

それを裏付ける説として考え出されたのが、なかなか消えない飛行機雲を毒雲だとみなす説でした。
連邦政府の軍隊が、国民を殺そうとしている・・・・・
そして、これがJP-8と結び付いたのです。

ただし、実際の所は、JP-8には、ニ臭化エチレン(EDB)は含まれていません
ジェット燃料には鉛成分が含まれていないので、JP-8だけでなく、他のいかなるジェット燃料にも、EDBは含まれていません。
(ニ臭化エチレンは、有鉛ガソリンのアンチノック剤として添加されています)

しかし、当時、この説を煽っていた団体は、ジェット燃料にはニ臭化エチレンが含まれていないにもかかわらず、検査の結果、JP-8にニ臭化エチレンが含まれていた、と発表し、インターネット陰謀論コミュニティーサイトで噂が広まりました。


このように、初期のケムトレイル陰謀論は、JP-8に含有するとされた有害化学物質(EDB)の追求であり、文字通り、ケミカルな飛行機雲・・・・のことだったのです。

ちなみに、土壌サンプルからニ臭化エチレンが見つかっていますが、これは、かつて色々な所で使われていたからです。
1920年代から1980年代まで、有鉛ガソリンのアンチノック剤として世界中で使われていました。
農業分野では、収穫後のポストハーベストや農薬として・・・・・
1983年に使用が禁止されてからも、シロアリの燻蒸剤などで、一部使用されています。


この頃までは、「ケムトレイル陰謀論」は、一部の陰謀論者によって騒がれている程度の陰謀説でした。


1999年ウイリアム・トーマスは、
Contrails: Poison From the Sky」(飛行機雲:空からの毒)と、
Mystery Contrails May Be Modifying Weather」(謎の飛行機雲は、天気を修正しているかもしれない)
という、2つの記事を発表しました。
 http://www.netowne.com/environmental/contrails/willthomas/contrails.htm
 http://www.rense.com/earthchanges/mystcont.htm
これが、彼の書いた初めてのケムトレイル陰謀説でした。


その記事がきっかけで、ウィリアム・トーマスは、深夜の人気番組、アートベル・ショー(コースト・トゥ・コーストAM)にゲストとして出演することになりました。


アートベル・ショーとは、アート・ベル氏がホストを務めるラジオ番組で、扱っているジャンルは、いわゆるオカルトでした。
エイリアン、心霊現象、世界の陰謀、超常現象、などについて、リスナーの体験談をまじえ、その道の「専門家」をゲストに招いて、アート・ベル氏と徹底討論する、という内容だったようです。

今現在も、深夜という時間帯にもかかわらず、毎晩450万人ものリスナーを集める人気番組であるようです。
 http://www.coasttocoastam.com/


この、全米ネットのラジオ番組で放送されたことで、「ケムトレイル」という言葉はウイルスのように急速に広がって行きました。
そして、ウイリアム・トーマスは、アート・ベル・ショーに招かれた中でも、もっとも人気の有るゲストの一人となりました。
「消えない飛行機雲」を見た多数のリスナーからの電話報告も、この陰謀説に説得力を与えました。


その後、何事もなくミレニアムを迎えてほっとしていたのもつかの間、
決定的な出来事が起こります。
2001年9月11日に発生した、9・11同時多発テロ
航空機による空からの攻撃。
これが、米国のケムトレイル信者の心に深く根を下ろしたであろうことは、間違いありません。
航空機=恐怖  という感情が刷り込まれたのです。

こうして、「ケムトレイル」という言葉は認知されるようになり、徐々に広がっていきました。          
                                                            次回へ続きます

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前回記事 役所・関係機関に、ケムトレイルについて電凸している動画について の続きです。

前回記事では、上空に見える飛行機は、自分のいる地点から、どのくらい離れているのか知るための、簡単な方法をご説明しました。

ケムトレイル陰謀論者は、飛行機が上空を勝手気ままに飛んでいる、と思っているのですが、そんなことはあり得ません。
日本上空を飛ぶ飛行機の数は、年間約240万機・・・・・つまり、1日当たり6500機以上が飛び交っているのです。
日本国内はもちろん、世界各国から飛んできているので、どこを飛ぼうが自由、という訳にはいきません。
定められた空の道、「航空路」を飛ぶことになります。

まず、飛行計画書「フライトプラン」が作成されます。
この、フライトプランは、ディスパッチャーと呼ばれる、国家資格を持った運航管理者が作成します。

フライトプラン作成の流れは、その便の機種、旅客人数・貨物の予約状況の確認からはじまります。
そして、最も重要なのは、気象解析。
例えば、積乱雲が発達した所は危険なので回避しなければなりません。
風向きや風速、気流を考慮して、安全かつ、最も燃費がよいルートを選定します。
次に「ノータム」といわれる、航法援助施設や通信施設の不具合情報、軍事演習などの制限空域情報・・・などを確認し、運航に支障がないかを確認します。
このようにして、すべての便が一機一機、飛行ルート、搭載燃料の量、重量バランス、トラブルが起きた場合の代替着陸空港、などが詳細に決められているのです。

フライトプランを提出して承認を得たら、次は管制とのやりとりになります。
離陸のための地上走行でさえ、管制の許可なく勝手に動き出すことは出来ません。
一挙手一投足が監視されているのです。


ここで、前回記事の、スカイツリー上空を飛んでいた飛行機は、どこへ向かっていたのか考えてみました。
自分の住んでいる場所の上空が、航空路になっているか、調べる方法はあります。
航空路の地図(エンルートチャート)というものがあるので、それを扱っているウェブサイトで入手可能です。
「AIS JAPAN」というサイトでは、必要事項を記入すれば、無料でダウンロードできます。
詳しく調べたい方は、各自、上記のキーワードを頼りに検索してみてください。

関東だと、こんな感じです。
航空路a

羽田や成田に離着陸する低高度の飛行機ではなく、もっと上空の、高度約1万メートルあたりを飛ぶ飛行機で調べてみました。
すると、関東上空は、中国・韓国から、ハワイ、北米へと飛ぶ飛行機の航路になっていることが分かります。
私が前回記事の写真を撮ったのと同じ時間帯に、「Flightradar24」を見ていたら、ちょうど、韓国・仁川空港発、大韓航空・サンフランシスコ行き、の便が通過していきました。
KAL23-a.jpg

しばらくすると、シンガポール航空、仁川(ソウル)発→サンフランシスコ行きも通過していきました。
SIA16-a.jpg

中国・韓国から北米へ行く飛行機は、だいたいこのルートを通っていきます。
もちろん、通過する際には、管轄の東京航空交通管制部(東京コントロール)が、レーダーで監視しています。
東京コントロールは、東北から関西にかけての広大なエリアを担当しています。
ここで一日に管制する飛行機の数は、なんと、3000機以上ということですから、驚きですね。

70年代、80年代とは違って、上空を飛ぶ飛行機の数は年々、明らかに増えています。
それどころか、既に過密状態と言えるでしょう。
したがって、気象条件が揃えば、飛行機雲だらけになるのも、やむを得ないのです。
そして、飛行機雲は、れっきとした「雲」なので、落下する最中に、まわりの水蒸気を刺激して成長したり、気流によって、さまざまな形に変化したり、ということも当然ながら起こり得ます。

飛行機雲は必ず2~3分で消える、というのは間違いです

世界中の飛行機の一日の移動が一目で分かる動画を以前ご紹介しましたが、もう一度アップしておきます。



都市部の地上の交通網は、言うまでもなく、過密を極めていますが、
上空でも、同じ様に過密状態になっているのです。

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